25Nov
女性であれば、生理以外の性器出血があると、「どうしたんだろう?」と不安になると思います。
妊娠中なら、その不安はさらに大きいものになります。
妊娠中に限らず、性器出血がある場合は何か原因がなければ起こらないものです。
出血するということは普通ではないので、必ず受診しましょう。
妊娠中の「出血」では、時期によって原因や症状も変わってきます。
もし、妊娠中に自分が出血した時焦ったり、不安にならないように、原因と症状の知識があると少しは安心できますよね。
目次
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出血の症状と対策
妊娠時期によって出血の原因や症状はさまざまですが、まず心配な出血というのは、量の多少に関わらず、真っ赤な鮮血の場合です。
何か起こったばかりの出血、なんらかのトラブルが進行中であることが疑われるため、早く受診しましょう。
鮮血の出血以外に、腰痛の症状もある場合は、救急車を読んで病院へ急いで受診します。
真っ赤な鮮血ではなく、茶褐色の場合は出血から時間が経ったものなので緊急性はあまり高くはないですが、何らかの原因で出血した事になるので、早めに受診しましょう。
出血した際に確認する重要な点では「出血したのは1回なのか」「出血後止まっているか」「持続して出血しているか」という点です。
受診の際に、出血と合わせて医師に伝えましょう。
出血が止まらず、だんだん増えている場合は、トラブルが進行していると考えられますので、緊急性が高いです。
出血した際は、色、回数、量、出血以外の症状を観察しメモをしておきます。
産院に連絡し、担当医師に妊娠週数、お腹の張りの有無、出血の色や量、出血の回数を的確に伝え医師の指示を仰ぎましょう。
事前にメモをしておくことで、慌てず伝える事が出来ます。
妊娠初期の出血
出血があるとビックリして不安になると思いますが、妊娠初期の出血は決して珍しい事ではありません。
心配のない出血もあります。
妊娠することで、子宮粘膜に充血が起こしやすくなり、これによりちょっとした事で出血しやすくなります。
なので、妊娠中に出血があっても妊娠継続に問題ないこともあり、特に妊娠初期では心配のないものも多くあります。
しかし、中には流産や子宮外妊娠の兆候である事もあるので注意が必要です。
心配の少ない出血
・絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
子宮を包む絨毛膜の外側に血液が溜まっている状態で、切迫流産の一つです。
自覚症状のないこともありますが、出血やお腹の張りなどの症状があります。
出血の量によっては安静を指示されます。切迫流産と診断された場合でも、妊娠が正常に経過していれば特別な治療はなく、胎盤が完成する妊娠4、5ヶ月には症状が治まります。
赤ちゃんへの影響もありません。
・月経様出血
妊娠していても、ホルモンが妊娠前と同じ働きをし、妊娠4週ごろに月経時のような出血が起こること。
胎盤が作られる過程で、沢山の血管が絨毛膜に入り込む事が引き金になるという考えもあります。
出血量は、月経時よりも少なく2~3日で治まります。
上記以外にも、子宮の入り口がただれて出血する子宮膣部びらんや、出血以外痛みなどなく、ほぼ無症状の子宮頸部にできる良性ポリープなどがあります。
ポリープは、流産・早産の原因になることもあります。
心配な出血
・胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤の元となる絨毛が病的に増殖します。
ぶどうのような水泡状の粒で子宮を満たし、赤ちゃんを吸収してしまう病気です。
500人に1人の割合で発症し、つわりがひどい程度の自覚症状です。
受精卵そのものに問題があることが多く、つわりの症状が強いのが特徴で、茶色のおりものや少量の出血が続く事もあります。
治療としては、子宮内容除去術を行う事になります。
・子宮外妊娠
子宮以外に着床してしまうことです。
その98%以上が卵管に着床するケースです。
妊娠検査にて陽性反応が出て、つわりの症状があっても、多くの場合は子宮内に赤ちゃんが見えない事で疑います。
卵管から出血した血液がお腹にたまり、下腹部痛や少量の出血が見られる事があります。
卵管が破裂すると命に関わる事があるので注意です。
残念ながら赤ちゃんは諦めないといけません。
着床した部分を切除する手術をします。
妊娠中期の出血
初期と同様に、子宮頸部びらんや子宮頸管ポリープからの出血があります。
治療をしたり、とりあえずは様子をみておくというものがあります。
妊娠22週未満に、出血・痛みで診断されると症状に限らず切迫流産と診断されます。
勘違いしやすいですが、流産ではありません。
切迫早産
出血が長くは続かず、量も少ないです。
お腹の張りが定期的にあり、痛みを伴うと切迫早産の可能性が高くなります。
参照記事:妊娠中のお腹の張り・痛みの原因と対処法
子宮頸管無力症
子宮の入り口が自然に開いてきてしまう体質のことで、これにより流産・早産、そうなりかけている切迫流産や切迫早産があります。
切迫流産や切迫早産の場合は、出血の症状があった場合でも、早く治療を開始することで食い止めることができる事も多くあります。
また、お腹が大きくなっていくと、便秘に悩まされる人も多くます。切れ痔になることもあり、肛門からの出血も考えられます。
妊娠後期の出血
前置胎盤、常位胎盤早期剥離、低置胎盤
妊娠16週になると、胎盤がほとんど完成しますが、通常子宮の上部に作られるはずの胎盤が子宮口に近い位置に出来る事で、出血しやすい状態になります。
前置胎盤は、子宮口を蓋する状態になるため、子宮収縮や胎盤と子宮口がズレる事で大出血を起こす事があります。
また、胎盤の位置は正常なのに、突然子宮壁から剥がれてしまう常位胎盤早期剥離があります。
剥がれる位置によって、沢山出血してしまうことや、子宮内に大出血しているのに、外に出てくるのは少量のことや、お腹がカチカチになり強い痛みがあるのが特徴です。
低置胎盤は、字の通り、低い位置に胎盤がある状態で、同じく胎盤の一部が剥がれたり、胎盤と子宮内膜がズレる事で出血しますが、痛みはありません。
しかし、赤ちゃんには酸素が十分届かなくなったり、ママの体は貧血やショック状態に陥る危険があるため、緊急帝王切開にて出産を行います。
この場合、ほとんどが事前に分かるので医師の指示に従いましょう。
また、軽い子宮収縮の刺激で、赤ちゃんを包む卵膜と子宮口近くの子宮壁が少しずれて出血することもありますが、心配はいりません。
参考記事:前置胎盤の出血原因と症状、治るのか?種類と診断は?
妊婦健診の内診で、少量出血することもあります。
まとめ
妊娠中の出血は、大きな問題を伴う事もあれば、検査の結果、心配ないと判断される事もあります。
子宮頸部びらんや、子宮頸管ポリープは妊娠前からあった可能性が高く、妊娠とは直接関係ありません。
性器出血は、妊娠中に限らず病気の早期発見と早期治療に必要な自覚症状といえます。
妊娠する前から、定期的な検診や、不正出血時には早めに受診するようにしましょう。
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